播州赤穂と忠臣蔵
一昨日、昨日の続きです。
播州赤穂と言えば忠臣蔵で、昔は12月14日になればテレビで忠臣蔵のドラマや映画が必ず放送されていたし、NHKの大河ドラマにもなった。したがって私くらいの年齢の者にとっては忠臣蔵の大まかなストーリーは常識の範疇なのだが、今の若い人はあまり知らないだろう。
ただし、私も子どもの頃からこのストーリーには納得できないところがあった。殿中で浅野内匠頭が一方的に吉良上野介に斬りかかり、その罪で切腹となった。朝廷の使者を接待するという重大な行事の際に刃傷事件を引き起こしたのだから、当時としては当然の処分だっただろう。それなのに、殿の仇ということで元の家臣たちが吉良の屋敷に押し入り、斬殺してしまう。それで義士としてもてはやされるとは理不尽ではないかと子どもの頃の私は思っていたのだ。
播州赤穂を歩く
播州赤穂に着き、駅近くで昼食をとった後赤穂城跡、大石神社のあるあたりに向けて駅から延びている駅前通りを歩く。午後になって、暑さが増してきている。予定では赤穂城跡から海浜公園のあたりまで行こうと思っていたのだが、日生でかなり歩き疲れが出ているので、海浜公園はやめにする。通りを歩いているとやはり忠臣蔵の街という感じがする。
1㎞ほど歩くと大手門が見えてきて、城跡のエリアに入る。赤穂は江戸時代は五万国というから大きな石高の城下町ではないが、それなりの城の跡は残っている。
あまり訪れる人はいない。私と同年代か少し上くらいの男性やご夫婦がちらほら。立派な天守閣もなく、見どころといってもそれほどないかもしれない。大手門を入り少し進むと、藩士の屋敷跡を無料で公開していた。中に入ると大学生と見える男女がいた。赤穂城跡をデート場所に選ぶとはなかなか渋い選択だ。
大石神社
少し進むと大石神社がある。大石内蔵助たち赤穂義士を祀る神社で、ここは参拝する人が結構いた。鳥居の前には四十七士の像が並んでいる。
神社の境内に入ると義士資料館というものがあって、義士宝物殿、義士木像奉安殿、大石邸とその庭園など、共通拝観料450円で見ることができるとのことだったので、見て行くことにした。当時の武具や衣服や呼子笛、また肖像画や木像などが展示してあり、忠臣蔵ファンには必見だろう。
なお、大石邸の建物に据えられていた女性の人形(下の写真の前の二人の顔)がちょっと怖かった。
赤穂城本丸から歴史博物館へ
大石神社を出た後、赤穂城本丸跡から二の丸跡、そして赤穂市立歴史博物館へと歩を進めた。本丸跡を訪れている人は少なかった。やはり天守閣が残っていないとインパクトがないのだろうか。
歴史博物館は入館料200円。忠臣蔵関係だけでなく赤穂の塩田の歴史の展示やビデオでの解説などもありよかった。昔の塩田で塩を作る作業はたいへんなものであることを実感した。
帰路につく
赤穂城跡周辺をゆっくり回り、駅に戻ると2時40分ごろになっていた。3時7分の列車に乗ることにする。帰りは姫路、大阪とほとんど乗り換え時間はなし。車内では読書が進んだ。