近江八幡にて
一昨日の続き。
近江八幡の町は見どころが多い。観光地化された部分もあり、前に来た時は観光客がやけに多かったのだが、この日はそれほどの人出もなく、落ち着いて散策できた。
新町通りにある資料館などの3つの施設の共通入館券が800円だったので、入ってみた。まず旧伴家住宅。江戸時代後期に、三階建ての立派な建物を造ることができたのは、当時の近江商人の力を示すものだとか。二階には45畳の大広間があり、柱や梁が太い。
下の写真は、一階に飾られていいた左義長まつりの「ダシ」。真ん中にうさぎが飾られているのは今年が卯年だからだろう。
それから、この日はこの施設で、近江八幡出身の漫画家、木川かえるの生誕100年を記念した回顧展が開催されていた。私は木川かえるの名前を知っている程度で、吉本興業所属ということもあって、お笑い畑の漫画家というくらいのイメージしかなかったのだが、展示されている絵を見ると、味があって、ものすごく上手いのだった。
展示されていたのは、舞台上で描いた絵やいろはかるたなど様々だった。考えてみれば吉本の舞台で、即興で音楽に合わせ、観客を楽しませる絵を描くことなど、並外れた画才がなければできない。下の写真は商いいろはかるた。
次に入ったのが郷土史資料館。この施設の建物は、旧近江八幡警察所の建物を利用したもので、洒落た洋風建築の建物だ。
近江八幡は近江商人発祥の地として知られるが、そのもととなるのは、安土に城を築いた信長が滅んだ後、豊臣秀次が八幡山に城を築き、安土の城下町を住民とともに移して商業を発展させる政策をとったことだという。秀次は悲運な死を遂げたが、近江八幡はその後商人の町として繁栄することとなる。したがって近江八幡の町を開いた人物といえば秀次なのだった。
下の写真は、明治時代のタンスの裏側を展示してあったもので、なぜ裏側かというと、当時の暦や広告など描かれているからだった。
海外に進出した明治時代の近江商人の持ち物なども展示してあった。こういった昔の人々の匂いが残るような展示はおもしろい。
最後に入った重要文化財の旧西川家住宅もよかった。ここは写真撮影は可だがSNSには上げられないとのことだったので写真はなし。
その後、さらに町を散策した。下の写真は白雲館という建物で、中は観光案内所となっていた。
その後、また八幡堀のあたりを歩き、日牟禮八幡宮に寄っていると2時過ぎになった。時間があれば安土城にも行こうと思っていたのだが、暗くなる前に奈良に戻ろうと思っていたので断念。帰りは西の湖の方を回って湖を眺めて帰路についたのだった。西の湖は人も少なく、ちょっとさびれた雰囲気もあってよかった。