作者との最初の出会い
今日は本の話題。
読書は、作者との最初の出会いがかなり大きいように思う。その作家の作品の中で、自分との相性があまりよくない作品をたまたま最初に読んでしまった場合、他にいい作品があっても、手に取らずに終わってしまうことがあるかもしれない。私も、一作読んで、その後手を出さずに終わった作家が何人もいるのだが、ひょっとすると読む順番をまちがえたかもしれない。まあ、これは運と思うしかない。
漱石との出会い
ところで、夏目漱石の話になるのだが、私は漱石とはいい出会いをした。最初に読んだのが、小学校の四年生くらいで、「吾輩は猫である」と「坊ちゃん」の子供用のものを買ってもらったのだが、今改めて見て、しっかりと作られた本である。(私は実家住まいなので、子ども時代に読んだ本が手元に今も残っている)
二冊の本
「吾輩は猫である」の方はポプラ社から出ている。「ポプラ社版・世界の名著」の中の一冊である。文章は原文どおりだが、仮名遣いや用字を現代のものにし、ルビを多めに振ってある。また子供にも分かるように、語の注釈をたいへん丁寧に付けている。全十一章あるのだが、章末にある語注の数が百を超える章もあるので、たいへんな労力であったろうと思う。
「坊ちゃん」の方は集英社から出ている。「カラー版 日本の文学」の一冊で、「刊行の言葉」に「明治以降の近代日本文学のうちでも、少年期に必読の作品をよりすぐって集めた全集です」とある。
収録作品名を見ると、たぶん中学生くらいが対象かと思うが、教科書に載っている作品以外で、今の子供たちが買って読む本がこの中にはたしてどれくらいあるのだろうか。(参考に、下に収録作品を記したページの写真を載せました)
明日以降に続きます。