海の博物館
昨日の続きです。
レンタサイクルでパールロードを走り、海の博物館に到着した。海の博物館はどんなところかというと、パンフレットによると「海村の文化を伝える博物館」で「海女を始めとする鳥羽・志摩地域の行業と漁村文化について紹介しています」とのこと。したがって、「海」を科学的な面からとらえて紹介するのではなく、民俗学的な色合いの濃い施設という印象だった。私ははとてもおもしろかった。
入館料は大人800円で学生(大学生以下)は400円。展示棟がA棟、B棟とあり、それに特別展示室、船の収蔵庫があり、展示はたいへん豊富だ。入館すると、海女に関する10分ほどの映像を見ますかという係の方からの案内があったので、見せてもらった。ちょうどその時間帯私一人だったが、50人以上入れそうな部屋だった。海女さんはすごいというのが実感。この施設の大きなテーマの一つが海女の姿と伝統を伝えることだという。
海の信仰に関する展示もよかった。三重県内には魚供養塔が四十ヶ所以上もあるという。漁民にとっては、生活の基盤となっている海には神が宿り、畏敬の対象となっていたのだろう。
B棟では、昔から伝わる漁師の生活についての展示が豊富だった。奈良県に住んでいると、身近に海を感じることが少ないので、新鮮に感じられる。
展示室を出て、収蔵庫に入ると、膨大な数の木造船に息をのむ。これらは実際に海で漁師たちとともに働き、引退してここで体を休めているという。昔は漁師たちの生活とともに命を守るこれらの船を、船大工が作っていた。
人形たち
ところで、こういった施設には展示のための人形がよく置かれているが、ここは特に数が多いように思った。魂がこもっているようなものもあり、夜中に来たら動き回っているのではないかという感じがした、下の写真はその中の一部。
展示棟の外に出て、林の中の小道を少し歩くと海辺に出て、白いサギとウミウが大量に集まっていた。
1時間以上館内にいただろうか。じっくりと見れば半日くらいはいられそうだったが、遠出してきたので切り上げて、またレンタサイクルに乗って鳥羽駅の方に向かった。往きより帰りの方が上り坂が多く、自転車のバッテリーが持つかちょっと心配したが大丈夫だった。レンタサイクルを返却し、予定した電車の時刻まで、鳥羽駅近くの海をぶらついた。海には下の写真の鳥が群れで浮かんでいた。