近鉄フリーきっぷ
近鉄電車がこの春から運賃値上げとなった。たとえば奈良を起点すると、奈良難波間が６８０円（ＪＲだと５８０円）、奈良京都間は７６０円（ＪＲだと７２０円）になり、ちょっと奈良県民の懐には痛い。
ただ、近鉄はいわゆる「お得なきっぷ」が充実しており、奈良県から三重方面に長い距離を乗って出かけるときは重宝だ。ネットで調べると、今「近鉄全線２日間フリーきっぷ」というのが出ていた。期間は６月末までで、２日間全線乗り放題で３０００円。１年中やっている週末フリーパスというのは、土日を含む３日間乗り放題で４４００円だが、これは普段の土日で行けるので使い勝手はいい。どこかで使ってみようと思っていたのだが、この土日は天気もよさそうなので切符を買ってみた。
鳥羽へ
とりあえず、鳥羽まで行きそこから少し足を延ばすことにした。ちなみに鳥羽までの往復運賃で２日分の切符の元がとれてかなりお釣りがくる。フリーきっぷはこの「得した感」がいい。
早朝の電車で近鉄橿原線から八木で乗り換え大阪線に。６時前の電車だが、乗客はそこそこいる。もう電車内でもノーマスクが普通になってきた。
志摩線で賢島へ
続いて伊勢中川で乗り換え山田線から鳥羽線に。鳥羽は去年の３月にフリーきっぷで来ているので、今日は志摩線に乗って終点の賢島まで行くことにした。志摩線はかなり昔、特急で１回来たが、普通列車に乗るのは初めてだ。
賢島に９時頃に着くと、駅にやけに警察官が多い。また警備という腕章を巻いた人間もいる。何かと思うと、Ｇ７三重・伊勢志摩交通大臣会合というのが６月１６日から１８日という日程で開催されるらしい。交通大臣会合とは何ぞやと思ったが、要人が集まるなら警備は必要だろう。
なお、賢島駅の２階では、７年前の伊勢志摩サミット記念館というものがあって、当時の資料や会議用円卓などを展示していた。集合写真を見ると安倍、オバマといった面々。たった７年なのにはるか昔に見える。
賢島駅で降りて駅周辺を散策するのは初めてだ。２年前までは駅近くに志摩マリンランドという水族館があったようだが、今は土産物店と真珠の店が数件、それからあご湾遊覧の遊覧船乗場があるくらいで、ややさびれた感じが漂う。
ただ、志摩の観光拠点だけあって、やはり海の景観はすばらしい。
遊覧船乗場を越えて海岸にそって歩いてみた。５分ほど歩くと海岸沿いには道はなくなる。私以外にその辺りを歩いている人は誰もいない。船が少し泊まっているが、そのあたりにも人の姿はない。
駅の方に戻ると、ちょうど遊覧船が出るところだった。手前の船は、スペインの大航海時代の帆船をイメージしたものだとか。
電車の時間まで３０分くらい間があったので、線路に沿った道を少し歩いてみた。道路脇の紫陽花がやけにきれいだった。この辺りにも警備の警官が立っている。あまりぶらぶら歩いて写真を撮っていたら不審者に見えそうだったので、駅に戻ったのだった。
☆其の二に続く。
