ナラネコ日記

私ナラネコが訪ねた場所のことや日々の雑感、好きな本のこと、そして猫のことを書き綴っていきます。

葛城山から當麻寺へ ~ 其の二

雨の日曜日

 朝起きてみると雨。本降りまではいかないが傘を持たないで出られるほどではない。一日中ぐずつき、天気回復は夜になりそうだ。今日はあまり出歩かず家で過ごすことにする。というわけで、昨日のブログの続き。

當麻寺

 葛城山登山口から県道に出て、5㎞ほど北上すると、當麻寺の案内表示があり、左に曲がって少し進むと山門が見える。寺から少し離れた場所にバイクを置き、歩いて戻る。観光客であふれる寺ではないが、天気のいい土曜日で、牡丹の季節とあって、参拝客はそこそこ多かった。

 境内は自由に散策でき、本堂、金堂、講堂の内部は別に料金を払って拝観できる。私のこの日の目的は牡丹だったので、そちらには入らずに、宝物館と浄土庭園のある奥院の方に足を向けた。拝観料を払い、まず宝物館に入る。正面にある天部立像や中将姫絵伝など、初めて観るわけではないがすばらしい。宝物館を出た後奥院の方に向かう。この日は御影堂の特別拝観期間で入って拝観することができた。建物のそばに牡丹の花が見える。

御影堂のそばに咲く牡丹

 浄土庭園に入ると、白い和傘の下に色とりどりの牡丹が咲いている。牡丹の花は大きい。華やかではあるが、開花期間が短く、盛りを過ぎると花がだらんとして元気がなくなるので、見頃は短い花だ。花の様子を見ると、微妙に盛りを過ぎたものもあった。

 撮った写真を何枚か紹介する。當麻寺には去年の今頃も足を運んでいて、その時は庭園に入ったら雨が降ってきて、傘を持っていなかったのでさっと眺めて帰った。しかし降りしきる雨の中、白い傘の下に咲く牡丹がたいへんきれいだったのが印象に残っている。それと比べると今年の牡丹はいまいちに思えたのだが、牡丹は雨が似合う花なのだろうか。

白い和傘の下に咲く牡丹

牡丹の向こうに寺の塔が見える

相撲館へ

 當麻寺を出た後、県道を渡ってすぐの所にある相撲館けはや座に寄った。この辺りは相撲発祥の地と言われており、最初の天覧相撲で相撲を取った當麻蹶速(たいまのけはや)の出身地である。「日本書紀」によると、その相撲で野見宿禰(のみのすくね)に敗れた當麻蹶速は脇の骨と腰骨を踏み折られて死んだというから、現代からすればひどい話である。

 相撲館の隣には當麻町の観光休憩所があり、その中に相撲館の受付がある。300円で入場券を買い、入館する。

相撲館

 相撲館の中には土俵があって、これは本場所の土俵と同じサイズだ。土足で上がってもいいとのことなので上がってみると、意外と狭い。仕切り線の前で手を下ろすと、巨体の力士が中央でぶつかって少し押し込まれたらすぐ後ろに俵という感じだ。横に塩も置いてあり、撒いてみることもできる。

本場所と同じサイズの土俵

 展示物は充実しており、昭和の名力士たちの写真や手形などが数多く見られる。私が最初にテレビで相撲を見た時は、大鵬が引退間近で、今解説者の北の富士が若手の横綱だったのだが、その時代やもっと昔のものもあり懐かしい。下の写真は昭和5年の大阪場所の案内だが、左は女相撲の紹介。昔はこんなこともやっていたのだ。

 相撲館には30分くらいいたと思うが、誰も入館してこなかった。面白い施設だが、一般にはあまり知られていないのだろうか。

名力士の写真・手形・書

昭和初期の女相撲の広告も