ナラネコ日記

私ナラネコが訪ねた場所のことや日々の雑感、好きな本のこと、そして猫のことを書き綴っていきます。

青春18きっぷで日帰り旅 姫路編 ~ 其の三

姫路城へ

 昨日の続き。

 手柄駅から山陽電車で姫路駅に戻ると11時頃になっていた。駅前の大通りを10分ほど直進すると姫路城に着く。堀を渡ると大手門である。

堀の景観

 大手門から入るとすぐ前が三の丸広場という芝生の広場になっていて、天守閣が正面からよく見える。この場所がいちばんいいアングルのようだ。城の右手には姫路市立動物園の入口が見え、ここは帰りに寄ることにする。

姫路城

大天守閣

 入城口のところで姫路城とその横の好古園という庭園の共通入場券を買って入る。水分補給に注意するようにという掲示が至る所にあるので、かなり歩くことになるという予感がする。さすがに日本の名城では第一位に選ばれるだけあって訪れる人は多い。

これから天守閣に

 姫路城は関ヶ原の戦いの後、池田輝政が大改築して現在みられる規模の天守閣を完成させた。池田家は外様大名だが、姫路藩はその後、徳川の譜代大名がいくつも入れ替わって藩主となっている。天守閣の内部は今さらこのブログで紹介するまでもなくすばらしい。現代になってから保存のための修理は行われているが、再建ではなく築城当時の姿をとどめているところに値打ちがある。戦時中、姫路の市街も空襲で焦土となっているが、姫路城は残った。

 天守閣に入る所で靴を脱ぎ、渡されたビニール袋に入れ、登っていく。重厚な内部の造りに圧倒される。池田家が城主となった時は52万石あったというので、かなりの力があったのだろう。

天守閣内部

 天守閣の最上層まで登ると、姫路の街を大きく見渡すことができる。周囲の景観はすばらしい。また、高い場所にあるためか、外からの風が心地よい。月並みな言い方だが、城主気分を少し味わえた。

天守閣最上層から見た姫路の街

 ここで頭に思い浮かんだのが、子どもの頃読んだ「長生塔」という中国の話。簡単に内容を書くと、次のような話。ずっと忘れていたのに、なぜ急に思い出したのか、人間の記憶というのは不思議なものだ。

 昔一人の王がいた、王は宮殿で豪奢な生活を送っていたが、自分の老いを悟り死から逃れる方法はないかと考える。何かと手を尽くした末に、大臣が進言したのが、伝説にある「長生塔」を再建して王がその中に住むことだった。王は大臣の進言を要れ、長生塔は建立される。王の老いが進む前に完成させるため、多くの賤民たちが集められ、多くの死者が出る。塔はなんとか22階まで完成し、王はその最上階に登る。荘厳な飾り付けと空気のすがすがしさに、王は喜び家臣たちは歓呼の声を上げる。ところが、その瞬間に恐ろしい音とともに塔は崩れ出し、王は22階の空中から地上に投げ出され。その後には瓦礫が転がるばかりとなる。

西の丸

 天守閣から下りて、西の丸の方にも入って来た。こちらは百間廊下という長い廊下が特徴で、すばらしいものだった。徳川家康の孫娘の千姫が本多忠刻と再婚し、姫路城三の丸に住んでいた時期があったとのことで、千姫に関する展示もあった。

姫路城西の丸

好古園

 姫路城の隣にある日本庭園が好古園。こちらは西御屋敷跡であった場所を中心に、平成に入ってから開園した庭園。このあたりではかなり足に疲れが来ていて、じっくり味わうといった気分ではなかったのが残念。

好古園

☆其の四に続きます!