正倉院正倉公開で奈良へ
今朝、新聞を開くと奈良版に「正倉院正倉 すぐそばぐるり」という見出しの記事があった。読むと、正倉院正倉が11月1~3日に特別公開されるとのこと。一般の人が正倉の近くまで立ち入れるのは、修理現場の公開を除いて明治時代以降初めてで、申し込み不要、入場無料で写真撮影も可とのことだったので、久しぶりに奈良公園周辺に出かけてみることにした。
県内のいろいろな場所を歩くが、奈良公園周辺は年に1,2回しか行かない。小さい頃、親に連れていかれる定番の場所が奈良公園で、行き飽きていることや、今の職場が20分も歩けば猿沢池というところにあり、いつでも仕事帰りに寄れるということ、そして何より、ここ数年外国人観光客で溢れかえり、情緒を味わうという雰囲気がないということで、普段はわざわざ足を運ぶ気になれないのだった。
公開は10時からなので、JR奈良駅に9時過ぎに着き、三条通をのんびり北上。下の写真は旧JR奈良駅駅舎。歴史のある建造物で、今は奈良市の総合観光案内となっている。

15分ほど歩くと猿沢池のあたりに着く。今日の猿沢池は、昨日からの雨のためか、水の色が茶色くなっていた。

猿沢池を右手に見て左に石段を上ると興福寺だが、五重塔は今、令和大修理とのことで、すっぽり覆いがかかっている。2022年から修理が始まり完了が2034年というから。あと9年は塔が見られない。薬師寺の東塔もそうだったが、文化財の修理はやたらと時間がかかる。

興福寺の横を抜けると奈良公園になる。朝の9時台なのにそこそこ人がいる。県庁前の大通りをずっと東に進んでいき、国立博物館が近づいてくるあたりから観光客の数がどんどん増える。私の感じでは、おそらく8割5分くらいが外国人観光客だ。理由は、ざっと半数くらいが外見から欧米系などの方で、残りも周囲から聞こえて来る言葉から、3分の2くらいは中国や韓国の方。したがってそうなる。
久しぶりに大仏殿の方に足を向ける。南大門の前も人が多い。

鹿がよく集まる場所がある。鹿だまりともいう。

そこから大仏殿の方へ。小さい頃、大仏殿に連れていかれるたびに柱の穴をくぐっていたので、今まで30回くらいはくぐっていると思う。

正倉院正倉
さて、いよいよ目的の正倉院正倉。大仏殿の裏側のあたりにある。大仏殿から少し離れると、外国人観光客の数が一挙に減り、奈良らしい雰囲気になる。しかし近づいてみると長蛇の列。やはり特別公開なので人が集まっている。私は並ぶのが嫌いで、いわゆる「行列ができる店」も入ったことがないが、ここで帰ったら何のために来たか分からないので並んだ。警備の方が何人もいて、手荷物検査もあった。スプレー缶でペンキを噴射するような不心得者がいてはいけないということだろう。
間近で見た正倉は歴史を感じるすばらしいものだった。コンパクトデジカメであまりいい写真は撮れていないが、撮った中から何枚か紹介。
まず正面から。天気が良すぎて暗くなってしまった。残念。

近づいて、斜め左の角度から。

真横から。

少し拡大して

束柱と台輪先の銅板巻きのあたりを中心に。
