ナラネコ日記

私ナラネコが訪ねた場所のことや日々の雑感、好きな本のこと、そして猫のことを書き綴っていきます。

五條新町に行ってきた

爽やかな朝

 土曜日の朝、空はきれいに晴れている。ここ数日、夏並みの気温だったが、今日は20℃まで上がらない予報が出ている。朝の散歩は町中を抜けて、城跡から堀端の道を歩いた。エアコンの室外機の上にはいつもの白黒の猫。今朝は寝そべっていないでこちらを向いて座っていた。

いつもの猫

 城跡のあたりはこの前の日曜日にも歩いたが、その時はまだツツジが咲き始めだった。今朝見るとすっかり道路脇がピンクや白に染まっていた。1週間ほどで自然の様子は一変する。

すっかり開花したツツジ

 城跡の追手門櫓も、3週間前はソメイヨシノが前景だったのが、先週は八重桜になり、その八重桜もほとんど散り、今日はツツジが前景になっている。

ツツジの向こうに櫓が見える

 堀端を歩く。さすがにヒドリガモはもういないだろうと思ったら、6羽だけまだ残っていた。つがいが3組、2羽ずつペアになって泳いでいた。

最後の6羽

五條新町へ

 土曜日で天気もいいので、少し遠出することにした。ふと思いついたのが五條。五條新町という江戸時代の町並みが残る通りがあり、吉野川が横を流れ、眺めもいい。初めてではないが、この前訪れたのが一昨年の10月なので、1年半前になる。五條新町から柿博物館に寄って、気が向いたら帰りに明日香の方を回ってこようかというのがだいたいの心づもり。

 ここのところ初夏のような気候が続いていたせいか、バイクで走ると、やや肌寒い。大和高田から御所を抜け、風の森峠を越えると五條に入る。五條新町の方に入りバイクを置き、町を散策する前に吉野川の川べりを歩こうと、川の方に出たら思わぬ風景。

吉野川の川べりに泳ぐ鯉のぼり

 吉野川の川べりにポールが建てられ、そこにたくさんの鯉のぼりが泳いでいる。青空で風も吹いていたので、鯉のぼりを見るにはいい日和だった。鯉のぼりは川べりのかなり広い範囲にわたって立てられており、なかなかの眺めだ。後で調べてみると、これは五條市に寄付された、一般家庭で使わなくなった鯉のぼりを利用しているとのこと、もう20年以上になるという。

鯉のぼりの数の多さに圧倒される

 川べりを歩いて鯉のぼりを見た後、今度は五條新町の通りを散策した。この町は、吉野川の水運と紀州街道沿いの宿場町の役割を担って栄えたという。古い町並みが保たれているのも地元の努力のたまものだろう。

五條新町を歩く猫

 いくつか無料公開されている建物があり、最初に入ったのが「まちや館」。これは江戸時代の米商の町家を改修したもので、木村篤太郎という吉田茂内閣時代に大臣を務めた人の生家だという。

まちや館

 案内の方が親切に説明してくださった。こういう場所によく展示してある、ひと昔まえの日用品を見るのはいいものだ。

ひと昔前の品物

 続いて入ったのが「まちなみ伝承館」。ここは明治から大正に建てられた医院の建物を改修したもの。手術室を示す立派な案内表示板が置いてあった。

手術室

 もう一か所入ったのが、国道を隔てた向こうにある民俗資料館で、これは旧五條代官所長屋門を改修した施設。

民俗資料館

 ここに展示されているのは、主に天誅組の資料で、天誅組が最初に挙兵して事を起こしたのが、この五條代官所の襲撃だったのだ。

 五條のあたりは訪れる人も少なく、のんびりと散策できた。

主に天誅組についての資料が展示されている