ナラネコ日記

私ナラネコが訪ねた場所のことや日々の雑感、好きな本のこと、そして猫のことを書き綴っていきます。

壷阪寺から高取城跡へ ~ 其の二

壺阪寺を後に

 一昨日の続きです。

 壷阪寺の話をもう少し。灌頂堂の中にも入ってみた。建物は新しいが、中には十一面千手観音像に豊臣秀長像などが安置されている。お堂の内部も撮影できるので、撮ってみた。こうやって写真が撮れるところはありがたい。本堂も撮っておけばよかった。また次に来た時にでも。

灌頂堂内部

 それから、目を引いたのがこのお堂の隅にあった下の写真の場所。「感謝の風の手紙」とあり、亡くなった人や音信不通の人に感謝の手紙を書き、積善箱に投函すると、年に一度の大とんどの日にお供えして焼尽してもらえるという。仏様が届けてくれるということだろうか。

風の手紙

 寺を出る前に、最初に寄らなかった入口の所の大講堂に入ってみた。「当山に伝わる仏像、宝物、資料を常設展示しています」と書いてある。なかなか充実した展示で、これだけでも十分観る価値のあるものだった。それから「壺阪霊験記」に関する展示もあった。「壺阪霊験記」は明治時代に作られ人気となった浄瑠璃の演目で、なかなかいい話なのだ。

壺阪霊験記の名文句

高取城跡へ

 さて、これからこの日の二つ目の目的地である高取城跡に向かった。壷阪寺から歩いて行くコースもあったが、上りの山道を3㎞ほど歩くことになるので、楽をして近くまでバイクで。城跡の中もかなり上り道を歩くことになるので、正解だった。

高取城ののぼりが立つ

 バイクを置き、そこからは山道を上ることになる。標高500メートル以上ある山中だが、かなり広い範囲に石垣が点在して残っている。南北朝期に始まり、戦国時代から江戸時代にかけての長い歴史を持つ城であるが、この場所にこれだけの石垣を築くことができたというだけでもすごいことだ。

山道にも石垣が残る

 訪れている人も結構いた。たいていは登山のいでたちをしているので、下から山道を上って来たのだろうか。私は普通のハイキングといった格好で、さすがに靴はあまり滑らないようなものを履いてきた。歩いて行くうちに、次第に城の中心部に近づいていく。

大手門跡

 ちなみに、日本の三大山城というのは高取城以外に、美濃岩村城と備中松山城とのこと。天守台近くに説明板が立っていた。奈良県の四大溜池よりは知っていて役に立つはずだ。

三大山城

 本丸のところの石垣はさすがに高くしっかりしている。落ちたら命が危ない高さだが、当然フェンスはついていない。そのあたりの安全管理は自己責任ということか。城跡の石垣はこういう場所が多いが、石垣から落ちたという話は聞かないので、みなさん気を付けているのだろう。

高い石垣

 本丸跡では、写真を撮ったり、のんびりと弁当を食べたり、みなさんくつろいでおられた。紅葉は盛りを過ぎていたがまだ少し残っていた。半月ほど早かったらもっといい景色だっただろう。

本丸の案内板はなぜか熊が持つ

 最後に。国見櫓という場所からの眺望。大気の状態によっては、大阪方面から六甲山辺りまで見えるという。この日も、この写真では分からないが大阪のビル群がかすかに見えていた。

 壷阪寺から高取城跡と、なかなか見どころの多い場所を訪れた日だった。

大阪方面まで一望に