ナラネコ日記

私ナラネコが訪ねた場所のことや日々の雑感、好きな本のこと、そして猫のことを書き綴っていきます。

浄瑠璃寺の夏

事件の翌朝

 朝起きて、朝刊を見ると、昨日の安倍元首相銃撃のニュースで埋め尽くされている。改めて場所を確認すると、四方ががら空きで、しかも周囲の建物の上階から見下ろせる位置でもある。すぐ横にサンワシティ西大寺という商業施設があり、ちょっと向こうには私が中学生時代によく行った奈良ファミリー。今も中高生が談笑しながら歩く姿をよく見かける。奈良県民にとっては、近場でちょっと買い物をして帰りに食事といった馴染みのある場所だ。この駅前の風景は私自身今までに何百回か見ているが、元首相の街頭演説の場所としては無防備な印象。警備体制に対する批判の声もネットに溢れているが、起きてしまった後ではむなしい。

 新聞にさっと目を通し朝の散歩に出かける。今日は城跡から堀端の道を通るコース。朝から蒸し暑い。草むらにムクドリがいる。去年の今頃はムクドリとヒヨドリの区別もつかなかった。これは進歩と言っていいのか。

ムクドリ

 堀端の道を歩くが、水鳥の姿は見えない。冬場とは大きく景観が変わるものだ。あまり撮るものもなかったので、そこからよく見通せるNTTの電波塔でも。

青空を背景にした電波塔

浄瑠璃寺に

 午後から天気が不安定との予報だったので、朝のうちに外出。浄瑠璃寺に行ってみた。4月に行っているが、このあたりはいい場所なので、季節ごとに足を運んでみたくなる。浄瑠璃寺のある加茂は京都府でも奈良県との境で、山の方なので行く道筋にクヌギの雑木林がある。バイクをとめて大型甲虫がいないかのぞいてみたがいない。下の写真はアオカナブン。緑色に光る美しいカナブンで、樹液のところを見ると20匹に1匹くらいの割合でいる。

アオカナブン

浄瑠璃寺の猫たち

 浄瑠璃寺と言えば猫だ。4月に来た時は、猫がほとんどいなかったが、土産物店のところに2匹、食堂周りに3匹、境内に2匹と言った感じで、今日は少し復活していた。ただ10匹くらいが集団でたむろしていた以前の状態から比べると少ない。なんらかの形で、数を減らすようなことがあったのかもしれない。

店の前で昼寝中

寺務所の傘立てをベッド代わりに

浄瑠璃寺の花

 浄瑠璃寺は季節の花が美しい。今日は池のほとりに咲いていた桔梗(キキョウ)が、池の中島の祠とよく調和していた。さらにその後ろには、木々の間から三重塔が少し顔を出している。

池のほとりに咲く桔梗

 紫陽花もまだきれいだった。少し高い場所にあるので、見頃の時期が長いのだろうか。それから、境内の本堂のそばには赤い撫子(ナデシコ)が咲いていた。

撫子の花

 本堂の前には水の入った鉢が置いてあり、そこから黄色い蓮の花が1本だけ顔を出していた。寺に蓮の花はやはり調和している。

鉢植えの蓮の花

 最後に、下の写真は浄瑠璃寺から少し山道を歩いたところにある石仏。当尾の石仏と言えばよく知られている。横に「やぶの中三尊」という表示があった。正面が地蔵菩薩、右に十一面観音、そして左の岩には阿弥陀如来坐像が彫られているのだが、写真の角度が悪くて左の岩の右側面にある阿弥陀様が見えていないことに帰ってから気づいた。また来た時に撮り直そうと思った。

やぶの中三尊