鳥羽の盛衰
昨日の続き。今日もフリーきっぷで出かけたのだが、それはまた明日に。
鳥羽は近鉄の線路の海岸側に遊覧船乗り場や水族館、真珠島、イルカ島などの観光の目玉があり、大きなホテルも集中している。一方、線路の反対側には飲食店街などがあった記憶がある。この前このあたりを歩いたのは青春１８きっぷで来た時だったが、昔の写真を見ると１３年前だった。やはりその時と比べるとさびれていた。
江戸川乱歩館があるという表示が出ていたので、行ってみたが、なんと去年の１０月に火事で焼失してしまったという。これは不運としか言いようがないが、その他にも店を閉じて軒先が傾いたような建物が多くあった。
こういう古くからある街の雰囲気というのは好きなので、なんとか店を続けてほしいのだが、時代の流れもあって、上手くいかないのだろう。去年バイクで足を延ばした榊原温泉も、多くのホテルや旅館が営業をやめていた。鳥羽は海があるので、うまく持ちこたえてほしいものだ。
そういえば、近鉄の駅から通じている商業施設も、「鳥羽一番街」の方は営業していたが、その横の「パールビル」の方は廃墟となっていた。後で調べて見ると２００８年に営業を終えているようなので、私がこの前来た時は廃業した直後だったのだろう。
東青山駅へ
いろいろなことを思いながら街を散策。お昼時になったので食事をすませるとまだ１時前。鳥羽発１２時５５分の電車に乗ることができる。
もう一か所、帰りにどこかに寄って行こうと考え、思いついたのが東青山駅。ここは電車で通ると、巨大な「四季のさと」の表示が見える。以前にバイクで立ち寄ったことがあるが、自然が豊かな広い公園で手入れもされているわりに、妙に人が少なく、がらんとした印象を受けた。電車で降りるのは初めてなので、ここで下車して、次の電車までぶらついてみることにした。
東青山四季のさと
改札を出てみると、やはり人は少ない。春休み、日曜、好天と条件がそろっているのに、子ども連れが２、３組くらいだ。
芝生の上を歩くと黒いものが点々と落ちている。これは奈良県民はお馴染みの鹿の糞。夜になると野生の鹿がうろついているようだ。桜はまだだったが、椿とモクレンがきれいに咲いていた。椿は一本の木に赤と白が交じって咲く品種が主だった。モクレンは白い花が開きかけで、青空に映えていた。
ここは１９７１年に死者２５名という大きなトンネル事故が起きた場所だ。そのときの線路の位置は現在とは違っているが、まだトンネルは四季のさとの端に残っている。以前は中に入ることもできたが、現在はロープが張られ、入り口にも柵が立てられ入れなくなっている。
芝生広場の端の方に、かなり大きな金属製の芸術作品のモニュメントがあり、ボロボロになっているが、そのまま放置されている。そういった諸々のことをひっくるめて、何か心に引っかかる場所なのである。
このあたりの路線は急行が１時間に１本なので、次の電車まで、あたりを散策して、奈良方面に向かう電車に乗って帰った。
