ナラネコ日記

私ナラネコが訪ねた場所のことや日々の雑感、好きな本のこと、そして猫のことを書き綴っていきます。

正月の風景

気温は氷点下に

 朝起きるとかなり冷え込んでいる感じがする。散歩に出る前にネットで調べると、奈良の今朝の7時の気温は氷点下2度まで下がっていた。家の庭に置いてあるバケツの水にも氷が張っている。

 7時半ごろから外に出るが、風がないので思ったほど冷え込みは感じない。歩きながら、ふと小学生のころ読んだ、オーストリアの作家シュティフターの『水晶』という話を思い出した。この話は、小さな兄と妹がクリスマスイブの夜、おばあさんの家からの帰りに道に迷い、山の中の氷の世界に入り込んでしまうという話で、自然の描写が美しくすばらしい。なぜ唐突に思い出したかというと、最後に子どもたちは村人に救出されるのだが、そのとき、「風がまるでおこらなかったのが幸運だった。風が少しでも吹いていたら子どもたちは助かってはいなかった」といった村人の話があり、それがなぜか印象に残っていたからだ。同じ気温でも、風が強いと体感の寒さは一変する。

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一面氷の張った池

 公園の中の道を歩くと、やはり人の姿は普段より少ない。いつもなら、下の写真のようなアングルで撮ろうとすると、誰かが歩いていることが多いのだが、静かである。

 そういえば、近所の大型スーパーが今年は元日休みになった。正月三日間休みにするスーパーもある。コロナの影響もあるのだろうが、今後そういう流れになればいいと思う。昔は正月三が日は非日常の時間で、店も休みは常識だった。それが当たり前のときは別に不便とも思わなかったのである。

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人通りのない公園

正月のサギ

 畑の中の道を歩いていると、今日はやけにサギがたくさん立っていた。寒さに弱い鳥もいるが、サギはそんなことはないのだろう。むしろ寒くなればなるほど元気が出るのかもしれない。なお、下の写真の手前の二羽はアオサギ、奥の二羽はシラサギ(大きさなどからコサギ)。

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集まるサギたち

午後の風景

 午後になって、また外を散策した。普段歩く田畑の中の道から少し外に出ると、あまり歩いたことのない場所に出る。空を見上げると雲一つない青空で、気温も上がってきているので、寒さは感じない。JRの線路の横にミカンの木があり、たわわに実っている。無防備な状態で放置されているが、とっていく不心得者もいないのだろう。

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たわわに実るミカン

 少し歩くと足を踏み入れたことのない道。表通りは出かける時にバイクで通ることがあるのだが、一つ通りを入ると見知らぬ場所となる。まだ正月の二日なのでひっそりとしている。考えてみると、私が住んでいる奈良県だけでも、歩いたことのない通りが大半だろう。身近なところに発見はまだまだあるのかもしれない。

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見知らぬ場所