爽快な朝
夜中が涼しいので睡眠の質がよい。睡眠中は夏場でも小型の扇風機だけで冷房を入れないので、夏場は寝苦しい日が多い。朝の散歩も気持ちよく歩くことができた。草むらの中からしきりにエンマコオロギのコロコロという声が聞こえる。エンマというだけあって、体も大きいし鳴き声も目立つ。
花の写真を2枚ほど紹介。
秋は夕暮れ
仕事から帰って外を散歩すると、夕焼けがたいへん美しかった。カメラで撮ったらどこまで伝わるかと思ったが、まずまずのできである。
北杜夫について(9月17日の続き)
北杜夫については、二日で終わりにするつもりだったが、少し書き残したことがあるので、三日目に突入する。
北杜夫は、自らが躁うつ病であることを公言した、最初の作家である。自身が精神科の医師なので、患者であり医師でもあるのだが、症状がはっきりと出始めたのは、40歳前後になってからのようだ。
躁うつ病については、自らのエッセイの中でしばしば触れていて、躁状態の時の失敗談などが独特のユーモアで語られるものだから、 小学校高学年から中学生くらいに読んでいた私は、躁うつ病というのが何か楽しい、愉快な病気のように思っていたくらいであった。
月と10セント
作者の躁期の行動がよく分かる作品の一つが「月と10セント」だろう。一般的に北杜夫の代表作には数えられないことが多いが、なかなか凄い作品である。作者は人類最初の月面着陸を目指すアポロ11号打ち上げの取材のために渡米することになる。そこで「月乞食」と自らを称して、和服を着て、自筆の短冊をNASAの打ち上げ基地で売る計画を立て、ニューヨークの街中でリハーサルとして実際に行動に移すのである。
これだけ書いただけではなかなか面白さが伝わらないのが残念だが、その面白さの中に作者の文明批評も盛り込まれている力作であった。
実生活への影響
私などは作品を読んで楽しんでいたが、実生活の上では躁期の行動が起こすできごとの影響が深刻だったようで、一時期金儲けのために株に次々と手を出して、1億円の負債を抱えたこともあったようだ。はたから見ているとおもしろいが、家族にとっては大変であったという。とにかく独特の持ち味をもつ作家であった。