野分のまたの日
台風の雨が昨日の昼過ぎから降り続いていた。朝起きるころには雨風が激しく、荒れた天気になっているかと思ったが、雨雲も通り過ぎた後で、むしろ静かな朝だった。
台風のことを昔は野分といった。「枕草子」に「野分のまたの日こそいみじうあはれにをかしけれ」から始まる、おなじみの段があるが、大きな被害が出るような台風でなければ、普段と変わった風景が見られていいものである。さっそく、外を歩いてみた。休日なのでのんびりした気分である。台風の影響はあまり感じられなかったが、田畑の中を通る道を歩くと、今まで咲いていなかった花が咲いている。ここ何日か違うコースを歩いていたので5日ぶりくらいなのだが、自然の変化の速さに驚く。
白い彼岸花
白い彼岸花が咲いていた。これはおなじみの赤いものとは別種の、白花曼殊沙華(しろばなまんじゅしゃげ)と呼ばれるもので、赤い彼岸花と黄色の鍾馗水仙(しょうきずいせん)の交雑種だという。数日前に歩いた時には花の影も形もなかったのに、成長の速さに驚く。一本だけ赤が交じっていたのがなんとなくおもしろかった。
新顔の黄色の花も咲いていた。いつも名前が分からないで済ますのもどうかと思い、ネットで調べたが、黄色い花はたいへん種類が多く特定が難しい。おそらくアラゲハンゴンソウ(別名キヌガサギク)のように思えるがどうだろう。
池のふちにカモが並んでいる。ほぼ等間隔で行儀よく並んでいるいちばん端に一羽だけ白いサギが立っている。隊長と部下のように見えないこともない。
午後から晴れに
午後から天気は回復し、青空も見えるようになった。昼食後、ファミリー公園に行き散策。台風の後であったが、何匹かの猫たちの姿が見られた。サポーターの方々がしっかりと世話しておられるのだろう。春先から注目している、例の元気のない猫もまだ存命であった。このまま寒い季節も乗り切れるのだろうか。
ファミリー公園を出た後、少しバイクを走らせて天理方面から169号線に出て長岳寺の辺りまで行ってみた。周囲に田畑が多い地帯なので、彼岸花が至る所に咲いている。群生するので咲いている部分だけが遠目にも赤く染まったように見える。彼岸花については、また日を改めて印象など書きたい。